店主がマイペースに書く、カレーとインドとその他のこと。
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インドに関わってきてもうすぐ10年。

年々、旅の仕方が変わってきています。

そして、食べ歩き方、店の選び方も
少しずつ変わってきています。

昔は「おいしい」という条件があれば、
それで満足していたけど、今は少し違います。

自分のお店を持ってから、
見る部分や感じるポイントが
細かくなってきている気がします。


今回の旅で一番印象に残った食堂があります。

それはプネーでホームステイしているとき、
よく通ったベジのミールのみを出す食堂。

60~70年の歴史ある簡素なロッジの
1階部分が食堂になっていて、
営業時間は昼2時間と夜2時間のみ。

オープン前にはいつも人が待っていて、
店内も混んでいた。

細長い店内には、
壁に平行に小さいテーブルと
イスが並んでいる。

すべてのテーブルの上には使い古したターリー皿と
ステンレスグラスがセットしてあって、
お客が席についてからそれぞれのカレーが盛られていく。

携帯電話も禁止の店内では、
大きな声でしゃべる人もいなく、
団体客もいない。

向かい合わせた人々は、
たまに会話をしながら
黙々と料理を食べている。

制服を着たテキパキ働くスタッフと
お店を愛する近所の常連さんとで、
この何とも言えない空気感を造っているようだった。

店内の写真を撮りたかったけど、
なぜかいつもとらなかった。

いつもより少しピンと伸びた背筋の自分がいて、
いつも食べるときにはそれぞれのカレーたちに向かっていた。

最近、
ここまで一品一品に神経を研ぎ澄ませ
向かっている自分はいなかった。

作りたてでフレッシュなそれぞれのアイテム。
素材の味が主役で塩やスパイスたちは
後ろから支えている感じ。

カレーの種類と
それぞれのポジショニングも抜群で
多すぎず少なすぎず、、なバランス。

食べ終わるまで、
そして食べ終わったあとも
気持ちが高ぶっているこの感覚は
なかなか味わえない。


滞在先からその店に歩いて7~8分。
お店に向かう間、
僕は頭の中ではもうそこで過ごす自分を
想像しながらいつも歩いていた。


小さな照明が
ちょこっとついただけの入り口は、
通り過ぎてしまうほど分かりずらい。
そこをくぐると楽しそうに待っている地元の人々。
席に案内してもらって一呼吸。
バターミルクを半分飲んでから、
それぞれのアイテムを一つまみ
手に取りつつ味を記憶していく。
そこからは流れるようごはんに合わせて
口に入れていく。
最後に残りのバターミルクを飲んで終わる。


 
  
心をぐっとつかまれるような、、
そんな世界がこの一皿にはあった。 
 

 
長い歴史といろんな要素が合わさって、
物語が出来上がる。

こだわりは口で言わなくても
見えなくてもいい。

そこで食べて「おいしかった」こと意外に
ほんの少し心に残る何かを持って帰ってもらえるような、、


そんな店になれるように、


今年もぶれないように、、


砂の岬から僕らの見てきた
食の風景を引き続き
伝えていきたいです。




オープンまでしばらくお待ちください。
 
  
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