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店主がマイペースに書く、カレーとインドとその他のこと。
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2018年に行ったフィッシュミールスでは、
ケララ州全体から魚介類のカレーを、タミルナードゥ州からは野菜のカレーをセレクトし
構成したものでしたが、今回のミールスはエリアも店も絞ったより現地感のある内容にしました。
この先行う予定の「Toddy Shop Cuisine」の内容にかすらないように振り分けより狭い範囲で表現する事で、僕が目指している本当のケララの一つの食風景を伝えることが目標でした。
今回のミールスは名前の通り魚がメイン。
基本的には現地で食べた各種類の構成は変えず、フィッシュフライをサポートする副菜たちの味や個としての存在感を出し過ぎない事を意識して作りました。



現地でフィッシュフライというと、

唐揚げのようにカリカリに揚げるタイプとタワフライのように素材が浸からない程度の油量でハーフフライしていくやり方があり、今回は後者の調理方でした。


現地で食べた時の魚はVela Meen(White Snapper)、日本で言う大きな鱸を三枚におろしたものにマサラを絡めてハーフフライしていました。

柔らかで淡白な白身にまとわりつくマサラオイルが抜群に美味しかったのですが、僕の昔からの夢でもある「骨つきブツ切り」は身の柔らかい鱸ではできない、、かといって三枚におろした物だとビジュアルが理想ではない、、。

あの店の忠実な再現を目指しながらも、僕のいつかの夢であった「骨つきブツ切り」で表現できる最適の魚、鰆でいくことを決めました。

ちょうど梅雨のど真ん中で雨風が強く海はしけの日が続き、水産市場の方では魚があまり揃わない日が多く、試作をしていた5月6月の時の仕入れ相場から大幅に値上がりしていきました。

長年お世話になっている店からも「この時期、鰆は市場にそこまで入らないし、あっても値段が高くて買いつけれない。他の魚にしたほうがいいよ」

ともいわれ描いていた理想のあのビジュアルが出来ない不安も出てきました。

ターリープレートの中心に理想の大きさと形で鰆をのせる事が出来なければ、このミールスはやめよう、、
とまで考えてしまうほど僕頭の中には日々の鰆の仕入れの事でいっぱいでした。

結果、当初描いていた値段の1.5倍になってしまいましたが、魚の質を下げず仕入れ続ける事ができ、なんとか3週間を乗り切ることができました。

毎週、1kgオーバーの鰆10本を200人分にブツ切りし、お客様ごとに仕分ける作業でいつも深夜になる、、、という僕はカレー屋なのか?
と疑うほど時間をそこに使っていました。


これから現地ではよりリスペクトをもって、
フィッシュワラの人々と接することができるだろう。

 






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日本では3月あたりからコロナ感染者数が数字上では増えていき、お店の方も減席営業、そしてテイクアウトのみ営業と変化させながら6月を迎えました。
お店のこと、スタッフのこと、家族のこと、、、
日々いろいろ考える中、僕に頭の中にはいつもあの食堂の事がありました。
ものすごい勢いで増えていくインドでの感染者数。
地元民に愛されていた、素晴らしい雰囲気のあの店は生き延びているだろうか、、
外国人が相手にされないほど人が群がる人気店で、ただじっと待つ僕を優先してくたあの人は元気だろうか。
階段の途中に座って、必死に食べて脳裏に焼きつけたあの日の思い出を日本で再現したい
僕のただの趣味だけど、使命かもしれない。


そして、
いつかあの店を訪れた時に感謝の気持ちを伝えたい。






未だ不穏なコロナ禍の中、
わざわざお店まで足を運んでいただき、
イートイン、テイクアウェイと食べていただいたお客様、本当にありがとうございました。


いつかまたバージョンアップして再現出来たらいいな。






 Pork Ularthiyathu / Pork Roast 


ブラックペッパーの辛味、ローストココナッツの芳ばしさと甘み。
フレッシュココナッツスライスのシャキシャキとした食感。
ケララ、トディショップスタイルのドライタイプの豚肉のカレー。




トディショップでは、魚介類だけではなく家畜類も豊富。
ケララの宗教的食文化の影響もあって、牛、豚肉系もよく見ます。
僕が各地域で食べてきた豚肉のカレーはしっかりとした歯ごたえで脂身もふんだんに使っているものが多く、そこまで好みではありませんでした。
今回再現するにあたっては、脂身もへらし程よい歯ごたえで、食べれるようにしています。



今週からのNON VEGになりますので、是非味わってみてください。





期間限定メニューに向けての先行リリースです。

Authentic Toddy Shop Cuisine
-Recipe From Kallu Shappu-






コクを重視したうえでほんのりさわやかな青い香りが残るグレイビーに渡り蟹を合わせています。


マドゥライ、カライクディのノンベジメスではよく見かけるカニのカレー。
現地の人が細い足の身までガシガシと上手に食べる姿にいつも感心しています。

年明けから続けたNandu Kuzhambuは今週で終わりになりますので、カニ好きの方は是非。




2016年のクリスマスで登場したカニのラッサム
Past Article ----  Nandu Rasam



 
 
 
Karuveppilai Kozhi Kuzhambu / Curry Leaf Chicken Curry  



ローストしパウダーにしたカレーリーフの青苦く芳ばしい味わいとフレッシュカレーリーフの爽やかな香り。ワイルドで美しいディープグリーンのグレイビー。

 

5~6年ほど前に1日だけ登場した、カレーリーフグレイビーのチキンカレー。
フレッシュのカレーリーフをかなり大量に使うため、当時のカレーの値段設定や仕入れでは不可能だった為、続けることができなかったのですが、心のずっと奥のほうに残っていました。


今回、ある御縁でかなりたくさんのカレーリーフを仕入れることができましたので、インド行きまでの残りの3週間、ノンベジはこのカレーになります。


 
 
 
  



 
 2013年、カライクディで始めて食べたKaruveppilai Kozhi Varuval。




 出会った時の衝撃を当時の写真を見てジワジワと思いだした。
 
 




ヒモ茄子・賀茂茄子・フィレンツェ・翡翠緑茄子・山科茄子


毎年、この時期は楽しみなBrinjal Season


この素晴らしい茄子は静岡の農園から。


今週のサンバル、クゥートゥー、パチャディ、ポリヤル、パコラに。





ダールとスパイスを粉末にして作るポディ。

通常は季節の素材を使いながらの作る自家製でしたが、
先日のインドで購入してきたものを期間限定で使用しています。




老舗のピュアベジホテルが作るオリジナルポディ。
いくつになってもジャケ買いはやめられない。。
 
 
 
いい眺め。 歴史感じるストックルーム。
 
 


 
My favorite
 

来週の再オープン、ウールガイはアムラーに。




Marathi Thaliで人気の高かったメニュー。
僕自身も気に行っている為、今も続けてお出ししています。
  

  
 
Kharda Chicken Kheema カルダ・チキンキーマ

大量に使用したグリンチリとコリアンダーがベース。
スパイシーなグリーングレイビー。


インドカレーで使われるうま味を出す食材として活躍するトマト。
このカレーではまったく使わず、しかもパウダースパイスは2種のみ。
青く鋭くカッコイイ味に仕上げています。

 
 


プネーではKolhapurのNonVegを出す店を食べ歩きました。
5年前に食べた、真っ赤なスープのタンバラッサと真っ白なスープのパンドララッサの再確認に加え、美しい深緑のグレイビーを探していました。


  
Kharda Chicken Thali
(include: Tambda Rassa,Pandhra Rassa,Alani soup,Bhakri)
 

向かいに座ったこの店によく来るという大学生が心配そうに、
「そのカルダチキンはコラップリーのメニューの中でも辛い相当辛いよ。。」
って嬉しそうに話しかけてきた。
「僕は日本からこれを食べに来たんだよ」
ってもっと嬉しそうに伝えた。


想像どうりかなりの辛さだったけど、それ以上に美味しかった。
シャープで芳ばしく、青々しい香りが印象的だった。

帰国後のMarathi Thaliのメインにしようとこの時決め、
食べた味の記憶をホテルに帰ってすぐにメモした。



 
 


外に出ると店先にはかなりの人がごった返していた。

この光景はいつもどこでも嬉しくて、
幸福な気持ちで店を後にした。







 


mountain vegetable & sea fish

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