店主がマイペースに書く、カレーとインドとその他のこと。
[102]  [101]  [100]  [99]  [98]  [97]  [96]  [95]  [94]  [93]  [92

  

お店が始まってから
3度目となる期間限定のミールス。

2015年度は、ほぼ南インドのアイテムで構成し、
メインのカレーたちも新しいものを届けることができました。


昨年は2階席の予約も始まり、
日々の営業を乗り切る事が手一杯、
何度か試作をしても今までのカレーの味に肩を並べるのが難しく、
立派な一品として仕上げるための時間がありませんでした。


今回、新メニューに関しては
「営業しながら日々、味を詰めていく」ことで、
なんとか4種類リリースすることができました。

ラッサム、クートゥー、ポリヤル、パチャディ、アチャールなどの
基本のセットの組み合わせも、野菜や豆のバリエーションに加え、
色や食感に変化をつけるような組み合わせを意識しました。

、、、、、、

いつもこんな風に、
ミールス期間がすでに終わり、
申し訳ないくらい "遅ればせながら" なんですが、
ミールスの内容を少し説明したいと思います。






<コダグ・パンディマサラ>




2年前にカルナータカ州の山あいの町、
マディケリに行きました。
目的はコーヒープランテーションに加え、
豚肉のカレー”パンディカレー”を食べることでした。
インドで豚肉というと一部の地域や宗教の関係で、
食材として使われることは稀ですが、
滞在した宿で見せてもらったスパイスのロースト加減が面白く、
「芳ばしさと少しの酸味」をイメージして仕上げていきました。




<ミーントリヴァンドラム>

ケララの南部、トリヴァンドラムの家庭で教わりました。
3~4種類のみのスパイスと少しの玉ねぎにコクムのワイルドな酸味。
という本当にシンプルなレシピだったので、材料それぞれの量や細かな工程を丁寧に仕込み「苦味と辛味」をポイントに作りました。
全くポップでなく、わかりにくい味のため日本での再現は正直やようとも考えましたが、
なじみの魚屋さんで天然の鯛を毎日仕入れることができたために続けることができました。




<チェンミーンモイリー>

ココナッツミルクとエビは「THE・南インドのカレー」な感じですが、
こちらもトリバンドラムで習った際、酸味付けに庭になっていた
見たこともない木の実のようなフルーツを使っていたことが印象に残り、
「酸味の後から少し苦味がくる」感じが美味しくて新鮮でした。
日本では手に入らないので、ほんのり甘味と苦味のあるグレープフルーツと
爽快な酸味のレモンを使って再現しました。




<アーンドラプラウン>

このメニューは2013年に1ヶ月だけお店で出したことがあり、
食べた方からのリクエストが多く、どこかのタイミングでもう一度とは思っていました。
ハイデラバードの高級ホテルで食べたエビのドライタイプのカレーには
甘くてコクのある削りたてのフレッシュココナッツに
たっぷりのミントリーフが爽やかな風味を加え、
それをブラックペッパーがきゅっとまとめているバランスが美味しかったので、
メインのカレーとして成立させるためにグレイビーを増やし
カレーソースとして食べれるようなレシピをおこし、再現しました。
 
 

................................
 
 
 
<レモンラッサム>


一番作りやすいトマトラッサムは
トマトのうまみを生かしながら味を仕上げるのに対し、
強い酸味とほのかな苦味しかないレモンで味を作るのは難しい作業です。
ほんのり甘味があって深みを出してくれるダールや
青い香りのフレッシュカレーリーフやコリアンダーリーフ、
そしてショウガやニンニクなど、決定的なうまみを持たない材料を
スパイスとともに何とか仕上げていく作業は、
味のゴールを決めることに対していつも敏感になっていました。
見た目と味と香りが「レモンラッサム」という名前に負けないように
いつもドキドキしながら作っていました。


<クートゥー>
 
ムンダールをベースに刻んだホウレンソウと大根を具材に、
やさしく「滋味深い味」を出せるように意識しました。
たっぷりのホウレンソウを洗い、茎と葉を分け、茎は小口切り、
葉は5mm~10mm角くらいの正方形になるように切っていく毎日の作業に
くじけそうになりながらもホウレンソウを使い続けました。
ケララのあばあちゃんが教えてくれた切り方が
今回のクートゥーの味と食感を決定づけるほど大事な工程だったと分かりました。

 
<パチャディ>
 
甘味のある赤玉ねぎとトマトをたっぷり使ったヨーグルトサラダ。
南インドでビリヤニを食べる際についてくる、
あの名脇役のパチャディをイメージして。


<ピックル>

ここだけは南インドではありません、ベンガルのレシピでした。
マスタードオイルやパンチフォロン(クミン・カロンジ・フェンネル・メティ・マスタード)と
玉ねぎでグレイビーを作ってから、冬~春野菜を中心に漬けていきました。


<山菜のアチャール>

常連のお客様にちょこんとお出ししていた一品。
山ウドやフキ、あかみず、わらびなどを使い、
以前、ネパールでのトレッキングに行ったときに買った
ティムール(ネパールの山椒)でアクセントをつけました。



<山菜のパコラ>
  
ディナーコースの前菜としてお出ししました。
山ウド、こごみ、こしあぶら、うるい、姫竹などの山菜を
南インドの家庭で習った衣の生地をつけ、揚げました。
お好みでティムールとヒマラヤのピンクソルトをつけて。






今回、最も気を使い、時間を使ったことは
「野菜の種類と量」だったかもしれません。

砂の岬では普段から使う野菜の種類が多いと思っていましたが、
この文章を書きながら思い返し、数えてみると、
ミールスでは一日に使う野菜の種類が25種類前後使っていて、
いつも野菜の管理や仕込みに時間がかかっていたことを思い出しました。
 
メインのカレーを入れ替え、いつもより味の管理が増えたことや
野菜の管理や下準備が増えたため、
いつもよりさらに仕込みに時間がかかってしまい、
あまり営業ができませんでしたが、
5年目にして多くの発見があり、
次に進むための準備ができた気がします。



最後に、

食べていただいたお客様、
何度も来てくださった常連様、

そして、
インドで出会って教えてくれた人々に、、


ありがとうございました!
 
 
 


あぁ、、
インドに行きたい。
インドに行きたい。

砂の岬ホームページへ
砂の岬のホームページは   こちら。
こちらのページは、 店主のひとりごと(BLOG)です。 上記リンクから、ホームページへ移動します。