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店主がマイペースに書く、カレーとインドとその他のこと。
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僕にとっての聖域は、
神々の山嶺ではなく、
現地のキッチンだ。


ときにそこは
不衛生で、
真っ暗で、
油や煤がどうしようもないほど
こびりついていたり。


カンカンと鍋を振る音、
ジャージャーと素材を炒める音、
シューとダルを茹でる圧力鍋の蒸気。


モワッっとした熱気とともに
充満するスパイスの香り。

 
そこが一番好きな場所。

 
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2007年、インド亜大陸を地を這うように食べ歩いた。


インド滞在3か月を過ぎたころ、僕はプシュカールにいた。

暑さと疲れ、そしてローカルフードをがんがん食べていたせいか
強めの食あたりで寝込んでいた。
水とバナナ、そしてヨーグルトがやっとの生活が3週間ほど続き、
カレーが食べれないストレスで精神的にも苦しかった。

いったんバラナシに戻り、現地の病院で薬をもらって少し回復したので、
僕はそこからネパールを目指した。


夜行列車とバスを乗り継いでネパールの首都カトマンズに向かった。


深夜、まったくどこかもわからないローカルな食堂でバスが止まった。

どうやら休憩のようだったので、現地人と一緒に遅めの夕食をとった。


薄暗い店内の、油のこびりついたテーブルにつき、初めてダルバートを食べた。

一つ一つの味を忘れないように頭をフルに使って食べた。


初めて食べたのになぜか懐かい。
 

ちょっと塩のきいたダルスープは田舎っぽくて、
ほろほろに崩れたジャガイモとカブのタルカリは優しくて、
ほんのり酸味の大根のアツァールは日本のお漬物を思い出した。

 

僕はダルバートが好きだと思った。

 

弱っていた体のことは忘れ、夢中で食べた。

 


カトマンズに向かう真っ暗なバスの中、僕は興奮気味にノートにメモをしていた。


初めて食べたあの味とあの気持ち、そしてあの時の食の風景を忘れないように。



281f575d.JPG




 



店内に置いてあるメイドインインディアの木の棚。

最初スパイスの販売をしようと思っていたので、ホールやパウダースパイスをディスプレイしてたが、オープン早々嬉しいことにまさかの忙しさで断念。



インド亜大陸に行くたびに毎回大量に買ってくるスパイス。

それは市場の量り売りから商店やスーパーなど場所はさまざま。

自分の好きなメーカーもあるが、ほぼジャケ買い。
(もちろん使いたい味だけはあまりそれないように買うけどね。。)


このジャケ買いが楽しい。


昔、レコード屋で働いてた時、1週間かけてサンフランシスコ周辺のレコード屋やスリフトショップやコンベンション(レコードバザー)に車で買い付けに行った時と同じ気持ち。

もちろんありとあらゆる自分の知識を振り絞って、アーティスト、レーベル、プロデューサー、年代、カバー曲の有無など、、、チェックしながら探すのだが、だんだん疲れてくる。

こうなったら純粋にジャケットの雰囲気に吸い込まれるように買うジャケ買いが生きてくる。

楽しい気持ちが多いから、あとで聞くのも楽しみ。

そんでもって大きなハズレもなかったり。。




そんな感じで買ってきたスパイスを飾ってみました。


控え目な感じですが、見てやってください。。






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