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店主がマイペースに書く、カレーとインドとその他のこと。
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桑原茂一さんのラジオ、
Pirate Radioで自身の人生に影響を与えてくれた音楽を選曲しました。


その選曲の理由と思い出を少し添えて、
改めて書き出してみました。



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Muriel Winston / Children's Trilog


今でも僕が一番好きなレーベル、Strata eastからの一枚。
彼女の太くあたたかい声と子供達の愛くるしいコーラスで出来上がったこの曲をかけると、店内の雰囲気がぐっと良くなる気がしている。
今思えば、砂の岬で一番かかっているレコードかもしれない。



Calm/Authentic Love Song


この人の音楽に出会っていなかったら、僕の音楽に対する接し方や感じ方は偏ったものになっていたかもしれない。
愛があって心に響く音はメジャーもマイナーも関係ない。
音楽は流れるように消費するものではなくて、その音と少し向き合って、接してあげる事で、より美しく心に残る事がある。

ファラオサンダースのLove Is Everywhere をさりげなくも美しく昇華させつつ、Authentic Love Songという僕にとって奇跡の一曲になった。



Kip Hanrahan / India Song


クールでアヴァンギャルドなサウンド、
都会の闇の緊張感は鋭く色気もあって、、。

彼の音楽はとにかくかっこいい。
僕はキップが作り出す空気感に憧れて、まだお店を持つ前に、
砂の岬の空間にこの人もつ空気感も入れたかった事を思い出した。


カルロス・ダレッシオのものも素晴らしいけど、
気だるく、そしてしっとりと歌うこっちのヴァージョンがいい。
そしてやっぱり、"india song"っていう名前の響きがいい。
 
 

Robert Wyatt / Shipbuilding


ある夜、彼は酒に酔って転落し、下半身付随になった。
足が使えなくなった車椅子のドラマーは、諦めなかった。
運命とはこういうものなのか、、でも、
彼の歩んできた人生が声とメロディーからいつも伝わってくる。

 
ちょうど20代半ば、僕はレコード屋を持つ夢を諦めた。
苦しい時期だった。
そんな時によく聴いていた曲だった。
聴いて道が開かれたわけでもなく、心が明るくなるわけでもないけれどこの時期は寄り添うように、ただよく聴いていた。



Shamek Farrah And Folks / La Dee La La Song

 
20才の頃働いていたカフェで、オーナーがかけるたびに気になっていた一枚。
生活するのがやっとだった当時の自分には到底、手の届かない雰囲気はジャケットからも感じていた。
レコード屋で働く事になり、カフェを卒業する日が近づいていたある日、オーナーは僕にレコードを破格の値段で譲ってくれた。
その日は何故か、少し大人になったような気分だった。



John Coltrane / Say It


名曲は多々あれど、フリー、スピリチュアルな演奏に向かって行く時期のコルトレーンのこのアルバム、そしてこの曲は特別なものに感じている。
最後のお客様が帰りバータイムの営業が終わり片付けに入る時、当時の店長がよくかけていた一枚だった。
美しく優しい音色のラブソングは身体の力がスッと抜け、程よい疲れとともに、なにげない先輩達の話しを聞く時間が好きだった。

 
 

Antony And The Johnsons / Hope There's Someone


Hope There's Someoneを歌い出してすぐに涙がでた。
そして、コンサートの終わりまで涙が止まらなかった。
こんな経験は生まれて初めてだった。

まだ移動販売の頃、ヒマラヤをトレッキングするために滞在していたネパール。1日のうち、7割くらいの時間停電が当たり前だった時期に、なんとかインターネットカフェから妻がコンサートのチケットを予約したシチュエーションも小さな思い出。
 
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